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縫いとじられない赤い糸

小奇麗な言葉で曖昧にごまかすのにはほとほと疲れてしまったから。そろそろ本当の話を始めませんか。身もふたもない、本当の話を。

目次

目次が大分長くなってきてしまったのでリニューアルします
今回から各カテゴリの中に最新作のみ、リンクを貼っていくことにします

☆はじめに☆
   ブログ開設にあたり、軽いあいさつ文を載せています

☆古い詩☆
   私がまだ10代の、詩を描き始めたばかりの青臭~い作品を載せています

☆詩☆
   とくに決めてはないのですが、短めなものを中心に新旧問わず載せてます
    
☆用法・容量をお守りください☆
   コトバに着目点を置いた詩を載せてます

☆原風景☆
   長いながい影法師だけが友達だった頃の詩です

☆詩でしか云えない☆
   声にならない心の痛み、苦しみ、どうしようもない気持ちをぶちまけてます
   奇麗な言葉で曖昧にごまかすのには、ほとほと疲れてしまったから
   本当の話を描くための、このブログ中のメインカテゴリです

   ・アンビバレンス


☆救われたくて、救えなくて☆
   虐待、暴力、自死、いじめ問題など、あまりひとが触れたがらないことに触れています
   
☆友への手紙☆
   手紙形式で描かれた詩を載せています

☆雨音と古いレコードと☆
   雨が好きなのと、雨の日にはデジタルよりもアナログだろうということで

☆酔いどれ詩☆
   人間喜劇、だけ

☆連詩☆
   短詩を縫い合わせてひとつの形にしたものを載せてます

☆新釈ことわざ辞典☆
   大仰なことわざにいちいちツッコミを入れてる詩を載せてます

☆音楽☆
   YouTubeからリンクを貼ったもの。好きなアーティスト中心ですが、気になった曲も貼ってます
   たまにリンク切れしてる時も。。。

☆雑記☆
   詩分類に入らない、つぶやきのようなものを載せてます
   
   



   





※色付き=最新記事です



目次 |

冬の花/宮本浩次



激しいミヤジもいいけど、こういう美しくも悲しい曲もハマる。

テーマ:音楽 - ジャンル:音楽

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アンビバレンス

死にたいと思いながら 同じ時間に目を覚まし
死にたいと思いながら リンパ浮腫になる心配をし
死にたいと思いながら ラジオ体操をしたりする


死にたいと思いながら お茶を飲み
死にたいと思いながら パスタを茹でて
死にたいと思いながら 内さまを観たりする


死にたいと思いながら ライブ情報をチェックし
死にたいと思いながら 中島みゆきを観に行き
死にたいと思いながら 拍手を送っていたりする


死にたいと思いながら 森田童子を聴き
死にたいと思いながら 海を見に行き
死にたいと思いながら 冷たい風に煽られてる


死にたいと思いながら 風邪を引き
死にたいと思いながら 病院へ行き
死にたいと思いながら きちんと薬を飲んだりする


死にたいと思いながら 昔の友達に連絡して
死にたいと思いながら 会おうよと誘って
死にたいと思いながら 断られたりする


死にたいと思いながら 簿記の勉強をはじめ
死にたいと思いながら 編み物をはじめ
死にたいと思いながら 部屋の片づけをしはじめたりする


死にたいと思いながら お気に入りの服を着て
死にたいと思いながら 髪の毛なんかもアレンジして
死にたいと思いながら 雑貨屋めぐりなんかしたりする


死にたいと思いながら 詩のことばかり考えて
死にたいと思いながら 死にたいとさえ描けなくなったら
死にたいと思いながら 詩を描く意味なんてどこにあるのかと
死にたいと思いながら ひとり思案に耽ってみたりする


死にたいと思いながら 辛い事件に心を痛め
死にたいと思いながら ネットニュースはくだらなくて
死にたいと思いながら 情報を求めてる


死にたいと思いながら
死ねない自分をなんとする


死にたいと思いながら
後悔だけはしたくない


死にたいと思いながら
死にたいと思いながら
生きる意味とか理由なんてどうでもよくて


死にたいと思いながら
活きてると思える瞬間がくるのを



ホントはずっとずっと



待ち続けてる








テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

詩でしか云えない | コメント:0 |

あの頃少年は、行こうと思えばどこへだって行けるって頑なに信じてたっけ

ある日少年が目覚めてみると 
背中に翼が生えていました


とても大きくて重そうな翼です


少年は空を自由に飛びまわることが夢でした
なので嬉しくてうれしくて
早速その翼を羽ばたかせようとしました
しかし どうやって動かせばいいのか
少年はその方法を知りません


少年はどうにかしてこの翼を動かしたいと思いました
まず 背中にぐっと力を込めてみました
動きません
両手をばたつかせたらいけるんじゃないか
いける訳もありません
目を瞑り 鳥になったつもりになってみれば
少し高いところから飛んでみたらどうか
思いつくかぎりのことを少年は何度も
あきらめずに試し挑んでみました


しかし翼はうんともすんともピクリとも動かず
ただ両の羽どうしが 微かに擦りあう音だけが
空しく耳に残るのみでした


少年はだんだんイラつきはじめてきました
これだけのことをしてもなんともならないのはどういう訳か
やり方がまずいのか 要領が悪いのか
取扱説明書みたいなものはどこかに落ちてないかな
翼の広げ方なんてネット検索したってヒットするわけもないし
いきなり翼だけ生えてきたって どうすることもできないよ
こんな使えないもの 一体何のために生えてきたんだ
これじゃあただ重たい荷物を無理矢理背負い込まされただけじゃないか
こんな背中に翼生やして 外も歩けやしないよ


少年は 柄にもなくさっきまで浮かれていた自分を呪いました


そうしてあるひとつの考えに思い至ったのです
空を飛べたからってなんだっていうんんだ
きっとそんなにいいものでもないさ
自由に見えるのは ボクが飛べないからで
飛んだら飛んだで ボクには想像できない大変なことが
沢山たくさんあるに違いない


だって現に 飛び方も知らないボクは
こんなにも汗みどろになって
なんとか飛んでやろうと目の色変えて
血相変えて ああでもないこうでもないと
散々やり尽くしたあげく
こんなにもへとへとにくたくたになって
だからといってまったくもって楽しくもなんともなく
ただただ必死
息も絶え絶え


ボクが夢みてたのは こんな世界じゃなかった
どこからか吹いてくる風を感じ 風に乗り
誰にも何も邪魔されることなく
気の向くままどこへでも行ける
なんにでもなれる世界


そんな世界 あるはずないだろ


少年は背中から突き出した大きな翼を
洗面台の鏡に映しながら 自嘲気味に微笑んで
誰かに問いかけでもするみたいに
ひと言 こうつぶやきました



     コノ ヤッカイ デ ジャマッケ ナ
     オモタイ ツバサ ヲ 
     ダレ カ ヒッコヌイテ ハ 
     ク レ マ セ ン カ







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終わりとはじまり

2018年も残すところあと3週間を切りました
なんだかあっという間に過ぎていってしまったような気がします

なんてことを云うと、なんだかすごく忙しかった1年のように聞こえるかもしれませんが
はっきり云って私はこの1年、ほとんど何もしてませんでした

何もしていない、というより
すべてに対してどうでもよくなってしまって
自分なんてとっくの昔に終わってるのに
この先生きてなんになるのかとかなんとか
とにかく、終わりにするつもりで
それでも、いつまで経っても死にきれない自分を
もてあましながら日々の時間の中に埋もれていました

朝がきて夜がきてまた朝がきて
窓の外で流れていく日々を
まるで阿呆かなにかのようにただ呆然と眺めていました

なにもかもが他人事のように思えて
早くこの世界からおさらばしたいと思っているのに
心のどこかでは、まだ何もしていない自分に気がついていたりもして
どうせ死ぬなら、やりたいことやってからでもいいんじゃないかと

まず、買いだめたままの本を読みました
「嘘を愛する女」
   映画観たかったんだけど、行けなかったのでその代わりに
   名前も経歴も過去もすべて偽らなければならないほどの事情にしては
   ちょっと薄い印象
「がん消滅の罠 完全寛解の謎」
   自分もがんになった身として気になっていた一冊
   読みやすく、途中までは面白く読んでいたんだけれど
   終盤にかけて徐々に失速していってる感じがした
   医療ミステリーとして、何故末期のがんが消滅したのか
   その謎を解き明かす話に徹底してもらいたかった
「終わりの物語」
   物語の結末は、ひとそれぞれ
「かがみの孤城」
   文章が好きになれなかった
   途中で大体のことが解ってしまうし
「噛み合わない会話とある過去について」
   タイトルに惹かれて読んでみたけど、やっぱり表現の仕方が好きになれなかった
   云いたいことは解らなくはないんだけど、う~ん...
「未来」
   未来から来た手紙がたとえ誰かの手によって描かれた嘘の手紙であっても
   いま辛い思いを強いられている子供たちにとっては
   生きていく指針になりえるかもしれない
   生きて、という言葉より、死なないで、という言葉よりも
   すっと心に届くメッセージのような
「罪と罰」
   途中で挫折
   面白いのですが、同じ人物で呼び方が変わったりしてちょっと混乱
   気になる内容なので、少し時間を置いてからもう一度読んでみるつもり

図書館へも行ってみました
近所を散歩したりもしてみました

いろいろ試してはみましたが
まず、図書館へ行って帰ってくるのが億劫で
近所の散歩も、まわりにあるのは大学くらいで
おまけに道幅が狭く、どこまでも1本道なため
なんの面白みもなく
結局は、ダイソーやドラッグストアなどを覗くくらいしかなくて

それに、歩いている時に自分のすぐ後ろで誰かがしゃべっている声に
後ろから思いっきり言葉というバッドで殴られてるみたいなザワザワした気分になり、
通り過ぎていってくれればいいんだけど
ずっと後ろの距離をキープしながら歩いてくる人もいたりするから
それが結構きつくて
自ずと、買い物以外あんまり出歩かないようになってしまうという結果に

意外だったのが5月くらいから徐々に調子がよくなってきたということ
それはなんだかものすごく、気持ちが悪いくらいに
気候がよくなったせいもあるかもしれないけれど
一番はやっぱりエレカシの曲に、歌詞にグサグサ突き刺されたこと
生きる屍だったことに今さらながら気づかされたのです

7月、友達とライブに行きました
1曲目「Easy Go」から2曲目「風と共に」で早くも泣きそうになりながら
毎回行くたびにエレカシの凄さに圧倒されるのですが
今回は自分の状況なんかもリンクしたせいか
格別のものがありました
場所も割といい位置にいけたので結構よく見えたし
云わずもがな、ミヤジはやっぱりセクシーでカッコよかったし
ホント、最高の時間でした

もう一つ、ウッチャンの大車輪に挑戦する動画
ウッチャンナンチャンは一番最初に好きになったお笑い芸人さんで
今も(特にウッチャン)好きなのですが
何度観ても泣けてくるんですよね
ホント凄い

エレカシとウッチャン大車輪に動かされるように、
6月から簿記の勉強を始めました
朝も大体決まった時間に起きるように決めて
9時から12時まで
昼からは自由時間ということにして、
動画を観たり、読書したり、外出したり
朝決まった時間に起きることと
決まった時間勉強すること
昼寝はしない、と決めたことで
以前より少しは罪悪感が減ったような気がします

いまは日商3級を勉強してますが
2級にも挑戦してみようかなと思っています

そして、これは自分が一番驚いているんですが、
裁縫も手芸も何の興味もなかった私が
この冬なんと、編み物なんぞやってみたいと
無謀にも思ってしまったわけなんです
学生時代は、家庭科で裁縫の課題など
一度も提出したことのないこの私が

まずは失敗してもいいように
ダイソーで極太の毛糸と編み針を購入して
YouTubeの関連動画を観ながら(便利な時代だ)
編み方の練習をしてます
私のことだから、途中でいやになるかなと思いきや
結構ハマッて、午後はひたすらYouTubeとか観ながら
編み編みしてます
基本的なかぎ針の編み方は大体解ってきたのですが
端を揃えるのが結構難しいです
なんだかとっても歪になってしまうんですよね
なかなか奥が深い
こんな面白いものだとは
まさか自分が編み物にハマるとは
自分のことを一番知らないのは自分自身ってよく云うけど
まだまだ知らない自分がどこかで眠っているのかもしれません
「体の全部使い果たせ」です
歴史絵巻の巻はまだ閉じるわけにはいかないようです
続きを描き始めてしまったから

2018年、私はまだ終わってませんでした
終わらすわけにはいかないと、つくづく思い知った1年でした
精神的にもいまは大分落ち着いています
この調子が長く続いてくれたらいいのだけれど

今年は1作しか詩が描けなかったことが悔しいです
まだ少し残ってるけど

2019年は、勉強や編み物も頑張りながら
詩の方にももっと労力を注いでいきたいなと
(こればっかりは衝動が起きないと描けないのだけど)
自分の支柱は、やはり詩を描くことだと思っているので




明日の自分が私が来るのを待っている
私は今日 したいことだけをする
時間も忘れるくらい 夢中になって
そしてそれを 明日の自分に聞かせてあげるんだ
今日をちゃんと 生きた証に










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雑記 | コメント:0 |

そうして今日も陽は暮れて

2018年 平成30年なんだって
昨年の今ごろは 入院だ手術だって忙しくしてたのが
まるで昨日のことみたいだよ


新しい年が始まったばっかりだというのに 
こんなこと云うのもどうかと思うけど
なんだかもう 何もかもどうでもよくなっちゃってさ
行ってた作業所も辞めちゃって
ごはん食べるのもめんどくさくなっちゃって
部屋の掃除するのも億劫で
詩を描く気力さえ失せちゃって
ほら またあの病気がはじまったよっていう体で


けどおかしいのはさ どうせ朝起きられもしないんだから
目覚ましなんかセットしなきゃいいのに
解除するのもめんどくさくって
毎朝きっちり5時30分にスマホから鳴りだす中島みゆき
また朝がきてしまったと ひどく気分が落っこちちゃって
それは決して中島みゆきのせいなんかじゃなくて
いい歳こいた大人が いまだにどうやって生きていったらいいのか
いっそ消えて無くなってしまえばいいのにと思いながら
無駄に肺呼吸しているだけの自分に ほとほと愛想が尽きるからで


読みたくて買ったドストエフスキーの『罪と罰』は
文字を追うばかりで内容が全然入ってこなくて
どこにも行きたくないから部屋着のまま 髪もボサボサで
やることと云ったら 一日中ドラマばっかり観てて
昨日は『カルテット』全話観ました
一昨日は『最高の離婚』で
その前が『Mother』でした
今日は『それでも、生きていく』を観ようかと思ってます
ってそれ全部坂元脚本じゃんと
そこは突っ込まないでやってください


午前8時 窓の外 
寒空の下 冷たい風に身を縮め
マフラーに顔を埋めながら通り過ぎていく人たち
あたしはもう一度布団の中で丸くなり 自分をダメにする



          誰に似たんだか 娘が頭がいいだってよ
          そうですか 似ていて悪かったですね


          言葉に棘があるんだよ 誰かにそっくりだよ
          そうですか そっくりで悪かったですね


          感謝されたって憎まれる筋合いはない
          そうですか 感謝って人に云われてするもんじゃないですよね



悲しみのない人間なんかいない
悩みのない人間なんかいない
他人から見たら大したことじゃないことでも
ケガをすれば 血を流せば
痛いことに変わりはない


あたしは疲れてしまったんだ
他人があたしに対して壁を作っていることにも
それが解ってしまうことにも
言葉じりをとって いちいちつっかかれることにも
見た目ばっかり気にしてしまうことにも
決して通じ合うことのできない想いにも
些細なミスで すべて台無しにしてしまう自分にも
去られるくらいなら 最初から関わらなければいいと
全然大丈夫じゃないくせに 大丈夫なふりするその態度にも


だからもう あたしは人に期待なんてしないと決めた
期待なんて所詮 自分の思い通りの返しが欲しいだけだから
あの人がこう云ったから あの人にそうされたから
何を云ってもらえば 何をしてもらえれば満足するのか
期待は失望を生む 期待は不満を生む
不満はストレスになり 積もり積もればいずれ大爆発だ
誰も得しない
だからあたしはもう 期待することをやめたんだ
他人にも 自分にも


20歳の誕生日がきたら自殺しようと考えていたのはいくつのときだったっけ
あれから20年
いまだ 何ひとつ変わっちゃいないよ
変わったことと云えば ここ10年余り
精神薬が手放せなくなったってことくらい


一生懸命に生きてる人からしたらふざけんなだろうけど
なんかもう 何もかもどうでもよくなっちゃってさ
ホント 何にもする気が起きなくって
眠れない夜 温かい紅茶を飲みながら
パソコンの前に座って観ている
それでも、生きていく




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詩でしか云えない | コメント:2 |

あの声で蜥蜴食らうか時鳥

ああ云えばこう云うって
昔ああいえば上祐っていう流行語もあったわね
ああ言って ああ返したら
ただのオウム返しじゃない
あ 気づいた人は気づいたわよね
云わなてもわかってくれるわよね? ね? ね?


怒りは敵だと思えというけど
我が身を滅ぼす危険があるのなら
どうしてこんな感情を人間に植え付けたのかしら
必要だから植え付けたんじゃないの?
身を滅ぼすほどの危険な感情なら
最初からそんな危ないもの 植え付けないでもらいたかったわ
いつもいつも にこにこなんてしてはいられない
寺山修司の「田園の死す」でも云ってるじゃない
怒らない人間が大嫌いなんだ
亭主が浮気したら怒れよ
たまには包丁でも振り回してやれって
いつも許してばかりいたら 何してもいいと思われてしまうのよ
たとえそれで身を滅ぼすことになったとしても
やっぱり怒ることは必要だって 私思うわ


売り言葉に買い言葉
売っているものにもよるでしょうけど
自分の癇癪に訴えかけられたら
それはもう買うしかないでしょう
でもこれには注意が必要なんです
買い手が調子に乗ってると
どんどん売り手が値を釣り上げてきますから
適当なところで妥協しないと
馬鹿高い対価を支払わされるはめになりかねませんから
注意が必要です


人を見たら泥棒と思えって
そしたら家族も教師もクラスメイトも上司も同僚も
どいつもこいつもみんな怪しく思えてきて
とてもじゃないけど 安心して生活していくことなんてできないわね
母は私をまるで自分の分身のように扱う
私自身を完全に盗んでしまった
父は仕事を言い訳にして 滅多に家に帰ってこない
母はそのことでいつもイライラしていた
父はこの家の幸福を壊した
そう云われてみると みんな何かを盗んで生きてる
みんな盗人だ みんな泥棒だ
ああ 私は何を盗んで生きているんだろう


背に腹はかえられない
確かに腹は大事だけど
背中だって背骨とか脊椎とかあるし
決してぞんざいに扱っていい代物ではない気がするのは
私だけかしら


あいつの面の皮を剥いでやりたい
化けの皮を暴いて 本性を曝け出してやりたい
って面の皮一枚剥いだところで
一体何が暴けるというのだろう


他人は 人の重箱の隅をつっつくのが
実に好きだ
とくにその人が良い人だったりすると
裏になにかあるに違いないと
探りたくて仕方がない
何を見つければ満足なのだろう
何があれば満足なのだろう
人の重箱つっつく暇があるなら
まずは自分の重箱を綺麗に洗えよって
思ってしまう私です


青柿が熟柿弔う
私は熟しきったとろっとろの柿
子供のころから結構好きでした
もう透明に近くなったそれを
スプーンでほじくって食べるのが至福でした
まだ青いガキの柿には
その良さがわからないんだろうな
弔ってもらっては こっちが困ってしまいます


骨が粉々になるくらい身を砕いたら
頑張る前に 死んでしまうと思うんですけど


百害あって一利なし
どうして百がすべてだと思うのかしら
百害あって一利もないのに
煩悩の数は百八もあるのはどういうわけでしょう
世界は広いんです 宇宙はもっと広いんです
見上げてごらんなさい
広大な空が 無限に広がっているでしょう
百くらいでこだわっているのが
バカバカしく思えてはきませんか


暗がりに厳つい顔をした鬼がいるのではないかと
常に心に疑いを持ちながら生きていくのは
もう疲れました
他人の意見に流されて ただ漠然と生きるのも嫌になりました
もっと考えたいと思います
生きることについて 死ぬことについて
そして もう一度何かを
誰かを信じていきてみようと思います


満身創痍
傷だらけだってかまわない
これからも私は
私自身を 生きていくのみだ






テーマ:詩・ことば - ジャンル:小説・文学

新釈ことわざ辞典 | コメント:0 |

大人守唄

ホームに立ち尽くして 聴いていたんだ中島みゆきを
どんなに淋しくても どんなに侘しくても
声に出して云えないあたしみたいな者には
みゆきの唄が心に沁みる


最終電車だというのに ラッシュアワーみたいで 
あたしはつり革につかまりながら 流れてく景色をぼんやり眺めてた 
暗がりに点々と灯るあのひとつひとつに生活がある
いくつもの出逢いと別離があって いくつもの育みがあって
悲しみがあって ささやかな幸福があって
失望を抱えながら 絶望をかみしめながら
それでも求めることをあきらめない 欠片みたいな希望を抱いて
みんなそれぞれ 帰るべき場所を探して生きている
行き場を失った者たちだけが 夜の街中で迷子になる
私の帰るべき場所はどこにあるのでしょう
その場に座り込んでしまいそうな気持ちを どうにかこうにか我慢して
右を向いても左を見ても みんな一様にスマホをいじくってる
そういえばこの頃は 電車の中で本を読んでいる人を見かけなくなったな
あと何年か後には スマホも過去の産物になっているのだろうか
座れている人が悠然と眠っている あんぐり口を開けながら
なんだか無性にその口になにか突っ込んでやりたい衝動に駆られたけど
変な人に思われても困るので そこはグッと我慢の子
はあ 今日がざわざわと終わってゆく


駅から少し歩いたところにある小さなアパート
灯りのない部屋だけがただ あたしの帰りを待っていた
干しっぱなしの洗濯物は まだ乾かない
流しにつけっぱなしの食器たち 誰が洗うのと急き立てる
ごめんなさい 今日のあたし もう限界なの
明日になったら そう きっと明日になったら
疲れすぎた躰をベッドに投げ出して 眠れない目を瞑る
今夜もまた あの夢に悩まされるのだろうか
忘れようとして 棄てようとするたび
戻ってきてしまうあの夢
あたしは一体 何を求めているのだろう
何を探し続けているのだろう
いや いまは何も考えたくない
考えるとまた頭の中が勝手に騒ぎ出すから


ワケもなく零れ出す涙 鼻に伝ってツンと痛い
生きることはどうしてこんなにも大変なのか
誰も教えちゃくれなかった
よい行いをしていれば きっといいことがあるって
いいことなんて 一体どこにあるっていうんだ
次から次へと 大変なことばかり襲ってくる
あたしが一体なにをしたというの?
生まれたことが罪ですか
生きることは罰ですか
罪も悪も罰も その断を決めているのは一体誰なのですか


窓の外 近所の飲み屋から聞こえるへたくそなカラオケ音
酔っ払いたちが小競り合い なにやらおまわりさんと揉めてる模様
向いのマンションの角では
誰かがさっきからずっと ケイタイでしゃべり続けてる
そんなこんなをすべて知らぬ存ぜぬな顔をして
街灯が 煌々と夜の闇を照らし続けてる
今夜も眠れる気配がない
あたしはリモコンを手に取り
おもむろにステレオの再生ボタンを押した
他にわかりあえるものなどなにもないメロディが流れ出した
大人だって泣きたいときくらいあるんです
なにかに縋りたいときだってあるんです
今夜もだからあたしは 中島みゆきに救われるのです





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詩でしか云えない | コメント:0 |

生き方試験

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私は 言葉に飢えている

*******************

期待は失望を連れてくる 希望は絶望を孕んでいる

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右のものを左にしたって 
縦のものを横にしたって 
上手く行かない時は上手く行かない 
そういうふうに出来てるんだ

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他人を愛するにはまず自分からなんて 
愛されたこともないのに愛し方なんて解るわけないじゃない

*******************

辛いのは 悲しいのはあんただけじゃないなんて言われて 
それでどう納得すればいいっていうんだ

*******************

竹を割ったような性格というが 
人間を真っ二つにすら割ることなんて出来ないのに 
その根拠はどこから来るのだろうか

*******************

辛いと思えるうちはまだマシなのよ 
なんとかしたいという気持ちがあるから

*******************

いつか終わる 
そのいつかが例えば明日だと云われたら 
もっと切実な今日を送れるだろうか

*******************

誰かが死んでもいいよって云ってくれたら 
ボクは死ぬことができるだろうか

*******************

もどかしいという言葉の意味をしみじみ噛みしめる夜

*******************

怖い怖い 人間がなにより怖い

*******************

雨音に耳を傾けて 
嗚呼なんていい気持ちだろう 
このまま弱り切ったこの心を叩きのめしてはくれないか

*******************

すべてを諦めたと云いながら 
未練たらしくいつまでも 
生きることをやめられないでいるのです

*******************

眠れない夜 
誰かの声が聴きたくて 
ダイヤルをプッシュする117

*******************

幸福なんて 
喩えばマッチ売りの少女が視た幻影のようなものなのよ 
手を伸ばした途端に跡形もなく消えてしまう 
あとに残るは無残な燃えカスと凍え切った躰
誰に知られることもなく 雪が静かに降り積もる

*******************

あなたにとっての本当と 
私にとっての本当は違うんだと 
今更ながら知った夜

*******************

気にしてないってフリするのも キツイもんなんだぜ

*******************

あの時貴方に いつまでも同じ場所で立ち止まらないでって云ったけど 
いつまでも立ち止まったままなのは私の方でした

*******************

変われないんじゃなくて 
変わろうとしないから 
いつまで経っても同じ処から動けないんだ

*******************

お酒に酔って 前後不覚になって あなたにキスしたい

*******************

サヨナラよりも酷い言葉だった 
終わりはいつも決まって
こんな味気ない忌々しい気持ちにさせられる

*******************

私には帰るべき故郷がない 
私が帰れる場所は自分自身の中だけなのだ

*******************

悲しみってやつはどうしてこんなにも 
塩っ辛い味がするのだろう

*******************

あたしは孤独と生きていく 
淋しさなんて遠に忘れてしまったわ

*******************

選ぶという選択 
しかし選ばないということもまた 
ひとつの選択に他ならない

*******************

何をしてもわざとらしく見える人というものはいるものね

*******************

新しい服と靴を買った まだ当分は生きそうだ

*******************

優しさが余計すぎる人がいる 
彼らは一様にあなたのためだなんていうけれど 
こちらから云わせてもらえば 
そうしている自分に酔ってるだけだろって

*******************

遠くへ行きたいってずっと思ってた 
どこへ?って聞かれた 
答えられなかった 
ただここじゃないどこかへ行きたいと 
生きたいと思っていた

*******************

この世界が終わりを迎えても 
そこからまた花は芽を出すだろう 
何もない荒野の果てでただ一輪 
凛として風に揺れながら

*******************

生きることにもし試験があるとすれば
きっと僕は落第するに違いない

*******************




テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

連詩 | コメント:0 |

誰も知らない

今日 ひとりの男が電車に飛び込んで死んだ
理由は誰も知らない
朝のラッシュ時だった 駅は通勤客でごったがえしていた
アナウンスが流れる 
「○○駅にて人身事故のため 電車大幅に遅れています」
人々は口々に云う
「この忙しい時間に」「死ぬなら他でやればいい」と


男はとある出版会社に勤めていた
毎日が残業の日々だった
月300時間を超えることもザラだった
上司に窮状を訴えたところで
俺たちの時代は 残業なんてまだマシなほうで
徹夜なんてこともよくあったな などと
云われるだけならまだしも
仕事もできないくせに生意気云うな と
いらぬ説教をされるのが関の山だった
増え続ける書類の山 処理切れる仕切れないは問題ではない
仕事ができないと思われたくなくて ただ一心に仕事しただけだった
誰よりも遅くまで残って仕事した
毎日終電間際だった
深夜部屋に帰るともう何もしたくなくて
倒れるようにベッドにへたりこんだ
疲れているのに あの書類の山に埋もれて
窒息する夢を何度も見る
だからうまく眠れない
朝5時半 無情の目覚まし
今日も長い一日が始まる
このまま会社行きたくないな
でも行かなかったら 即クビにされるだけだし
睡眠不足と疲れからうまく頭が働かないまま着替えて部屋を出た
だけどどうにも足が重い
月300時間の残業はサービス残業で
もちろん残業代なんて出してはもらえない
一体なんのために働いているのだろう
仕事を替えればいいだろうと他人は簡単に口にする
一体 いつ新しい仕事を探しに行けっていうんだ
駅のホーム ごった返す人ゴミの中
もうこの中にはいられない
どうすれば今日 会社へ行かなくて済むだろう
そう思っているうちに 自然に足が前に向いていた
もうこれで楽になれる


通勤時間帯の事故 誰もが忙しなさそうに
電車遅延のアナウンスに舌打ちしている
たった今 人がひとり死んだことなんてどうでもよく
それよりも私たちは 朝の会議に間に合うかどうかの方を気にしてしまう
震災で失われた命には手を合わせても
この電車を止めた自殺者はただの迷惑な存在でしかないのか
命は尊いものだと 教わってきたはずじゃなかったのか


人ひとりの命にどれだけの価値があるんだろうか
身近な人じゃなくても
見ず知らずの誰かでも
その人を大事に思っている人がいて
その人を愛してやまない人がいて
その人がいてくれないと困る人がいて
だったら、身近だろうが他人だろうが
その価値は変わらないはずなのに
男は会社の駒としてこき使われ
社会の犠牲になって死んだ
これは全部想像だ 今日電車に飛び込んだ男についての
その男は もしかしたら自分だったかもしれないのに
いま舌打ちした人間は 私も含めて
弱者を踏んづけて 平気な顔していられる人間だ
そんなふうになりたくなかった
そんな自分ではいたくなかった


今日 ひとりの男が電車に飛び込んで死んだ
理由は誰も知らない






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