縫いとじられない赤い糸

小奇麗な言葉で曖昧にごまかすのにはほとほと疲れてしまったから。そろそろ本当の話を始めませんか。身もふたもない、本当の話を。

サヨナラも云わずに


死にたいって云っているうちは きっとまだどこかで止めてほしい気持ちが残ってる
リスカも自傷も死ぬためにやってるんじゃない 
あれは生きていることを確認するための行為
もし本当に死にたくなったら きっともう何もしゃべらなくなる
身のまわりのものを整理しはじめる
ドラッグストアでクスリを大量に買い込んだり
処方されたクスリを飲まずにため込んだり
一緒に飲むための度数の強いアルコールを用意したり
ホームセンターであら縄を買ってきたり
飛び降りられそうな高層ビルなんかを下見したりしはじめる
蝋燭が消える前のように なにかふっきれたように他人からは見えるようになる
自分の短い人生を統括しはじめ 遺書を書きためるようになる
本当に死んでしまう人は 誰からもそうと気づかれないように振る舞う
あんなに普通そうに振る舞っていたのにどうして?と
いなくなってはじめて 周囲が口を揃えて驚くものなのである

**
死にたいって思ったから死にたいって云っただけなのに
かまってちゃん扱いなんてちょっとひどすぎです
そんなネガティブな発言 すんじゃねーよ
ごもっともです わかってます
ポジティブな発言ばかりはしてられないだもの
仕方がないじゃありませんか
心がちょっと疲れているんです
やさしい言葉がほしいわけじゃないんです
深い深いため息みたいなものなんです
あなたは疲れることはないんですか
弱音を吐きたいときはないんですか
気力で乗り切れるほど強いんですか
残念ながらあなたみたいに強くできてないんです
誰も聞いていないような掲示板にそっとつぶやくくらいいいじゃないですか
そんな冷たい目をして蔑むように見るのはやめてくださいませんか

***
もう生きているのが嫌なんだ
死んでしまいたいんだ
何もかも終わりにしてしまいたいんだ
そんなことばかり考えていた某月某日
10月に行われるエレカシのライブチケットを応募していたことを
すっかり忘れていて
当選通知のメールが届いたんだ
しかも友達と行く2枚分
10月まで生きる理由ができた

****
花に嵐の喩えもあるさ
さよならだけが人生だ

*****
ねえ君 もし僕が君になにも云わず
ある日突然この世から姿を消してしまったら
君はどうしますか
やっぱり悲しませてしまうかな
それともいつもと変わらず 普段通りに過ごしているのかな
ねえ君 僕は忘れないよ
君と見た井の頭公園の桜のこととか
一緒に食べた日本一おいしいミートソースパスタのこととか
はじめて観に行った中島みゆきのコンサートのこととか
押しつぶされそうになりながら興奮したエレカシのライブとか
上野の美術館の像の前で一緒に写真を撮ったこととか
どれもこれも 僕にとっては大切な 大切な宝物です
ごめんね ごめんね ごめんね ごめんね
本当はもっと君と一緒にいたかった
いろんなところへ行きたかったけれど
もう ダメみたいです
ほとほと疲れてしまいました
弱虫だって責めてもいいです だけど決して君のせいなんかじゃないって
それだけはどうか解ってください
ひとつ君にお願いがあります
月のきれいな真夜中起き出して 僕の好きだった『PAIN』を聴きながら
静かにそっと 泣いてはくださいませんか







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友達


昔の数少ない友達も 今年で40になる
みんないい歳である
仕事でもそれなりの地位を築いているに違いない
結婚はしているだろうか
多分していることだろう
子供はできただろうか
多分できたことだろう
結婚や出産が一概に幸せかと云われたら
それは違うのかもしれないが
私の頭の中では 彼らはとても幸福そうだ


昔はいろんなことを話し合ったりもした
今では連絡先さえも知らない
向こうの住んでいる市町村が合併して
名称が変わってしまってから
てんでわからなくなってしまった
でも私は それでいいと思っている
別に今さら知ったところで何を話すわけでもない
普通に仕事して結婚して幸せな家庭を築いてる
私の方ははもう半分以上壊れかけているというのに
かつての友達にそんな姿を見られるのも見せられるのも
自分が惨めになるだけだ
いっそ 友達も不幸であってくれたらいいのにと
心のどこかで思ってしまう自分がいるから
さらに始末に悪い


昔の友達は 昔の思い出の中でだけ
友達であれば それでいい





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