縫いとじられない赤い糸

小奇麗な言葉で曖昧にごまかすのにはほとほと疲れてしまったから。そろそろ本当の話を始めませんか。身もふたもない、本当の話を。

9 Nine

9のつく歳には特によくないことが起きるのです


9歳のとき、十日以上も高熱が下がらなかったときがありました
それが風疹だったと知らなかった母が
それと知らずに熱を下げてしまったがために症状が悪化
死の淵をさまよいました

あまりに頻繁に熱を出すものだから
耳鼻科の医師の薦めもあって扁桃腺の手術をすることになりました
手術前日、深夜0時にナースが水を飲ませにくるはずでした
緊張していたのか、ある種の興奮状態にあったのか
眠れなくてずっとナースが来るのを待っていたが
結局夜がしらじらと明けても、やってくることはありませんでした
すぐさま母にそのことを話し、ナースに云ってもらいましたが
ナースは当然のように嘘をつきました
「私はちゃんと飲ませに来たけど、寝ぼけて憶えてないんでしょう」と
私は眠れなくて、一晩中起きていたというのに
子供だから簡単にだませるとでも思ったのでしょうか
その飲まなかった水が関係していたのかはわかりません
すぐに眠くなると云われていた全身麻酔が、一向に効いてこないのです
周りでバタバタしている様子が聞こえてきます
通常の量の3倍近い量の麻酔薬を使用したと後から聞かされました
通常扁桃腺の手術は、それほど時間のかかるものではないのに
麻酔が効かなかったために、倍以上の時間かかってしまったようなのです
まさか、水1杯でそんなことになるとは思えませんが
でも、飲ませなければならないものを飲ませなかったことは事実です
これはあきらかに職務怠慢なのではないでしょうか
......と、いまさら云ったところで、どうにもなりませんが


19の頃も最低でした
その頃はまだ、母、兄、私の3人で6畳2間のアパートに住んでいました
2つ上の兄はまったく働かず
昼いっぱい寝て過ごし、夜になると暴れる、騒ぐの毎日
仕事をしていた母も、連日連夜のそんな状況に疲れ果て
次第に鬱状態ぽくなって、仕事に行かないで寝ていることが多くなりました
就職したばかりの私ひとりが 朝会社へ出かけていく
慣れない仕事と人間関係でくたくただったけど
そんなことは口にしませんでした
出来るような状態じゃなかった
ある時、やはりとてもヘトヘトになって帰ってみると
青ざめた顔して母が「どうしよう、どうしよう」とうろたえている
どうしたのかと聞いてみれば その頃母が常飲していた睡眠薬1シートを
どうやら兄が飲んでしまったらしい、と
長いこと公衆電話で親戚やら知り合いやらに電話しているのを付き合う私
いくら強いクスリとは云っても たかだか1シート飲んだくらいじゃ死なないことを私は知っていたので
動揺している母親の姿を見ながら、どんどん心が冷めていくのを感じていた
兄がどういうつもりでクスリを飲んだかはわかりません
しかし、正直云って心配する気持ちにはなれませんでした
いい加減にしてくれよ、という感じでした
22時頃にようやく家に帰りつくことができましたが
兄にこれといった症状があるようにも見受けられず
数分後には起き上がってました

家では日々、こんなことばかりが続き
自分でも気づかないうちにストレスフルな状態に陥っていきました
仕事中に急に背中が張るような感覚に襲われ、関節も痛くなってきて
寒気はするし、お腹も張ってきて
トイレに駆け込みましたが、吐くまでには至らなかったようで
それでも急激に具合が悪くなり
帰りの電車の中で我慢ができなくなり、吐いてしまいました
家について体温を測ると38度あり、すぐに横になりました
夜中じゅう吐きました。吐くものがなくなって胃液しか出なくなっても
それでも吐き気が治まりませんでした
病院で診てもらうと、急性肝炎とのこと
その場で入院でした


29歳の頃はもうどうしようもなかったです
部署異動があってから、徐々に仕事の処理が遅くなるようになり
周囲がみんなして「なんてあんな仕事もできないんだ」と
思われているような気がして、笑われているような気がして
昼休みも返上したけど、まったく追い付きませんでした
些細なことでイラつくようになりました
落ち込むことも多くなりました
残業時間も増えました
10時ごろに帰宅して、寝ようとしても眠れない
ようやく眠れたと思ったら、もう朝で
無理だとわかっているのに、誰かに相談することもできない
思えば子供のころからそうでした
辛いのに辛いと云えない
聞き入れてくれるはずがないと諦めちゃうほうが多かったから
朝が辛くて、特に月曜の朝は起き上がるのがホントにしんどくて
1日休んだら、起き上がれなくなってしまいました
1週間後、会社の同僚が部屋を訪ねてくるまで
母親にも電話がいったらしく、電話がかかってきた
開口一番「迷惑かけて」
このまま、ずるずる休んでいるわけにもいかないと会社を辞めることを決意
死ぬつもりでした

会社を辞めてから、何もする気力もなく死ぬのもめんどくさく
ただただ家に引きこもるだけの生活
19のころ、あんなに嫌悪していた兄や母と変わらない人間になってしまったのだと
それでも、私は兄とは違う、母とは違うと
心の中でその事実を打ち消そうと必死でした



9のつく歳には、得てしてとてもよくないことが起こるのです
9のつく歳だけに限ったわけではありませんが
結構な波で襲ってくるのがこの歳だったりするのです
これは偶然ではないような気がします
そこにはなにかしらの因果関係が潜んでいるように
私には思えてならないのです


今年また、その9の歳を迎えます




テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

詩でしか云えない | コメント:4 | トラックバック:0 |
<<穴を掘っている / amazarashi | ホーム | 夜明け前>>

コメント

今回でその不吉なジンクスが破られることを
お祈りします。
これから9のたんびに
とってもいいことが起こるようになったりして。
そうなるといいなあ。
2015-07-01 Wed 18:54 | URL | 偕誠 [ 編集 ]
コメント、ありがとうございます

> 今回でその不吉なジンクスが破られることを
> お祈りします。

そう願いたいですね。
といいつつ、もう兆候があって
今、ひどい腰痛で身動きがとれません(>_<)
やっぱり来たか、といった感じです(*_*)

> これから9のたんびに
> とってもいいことが起こるようになったりして。
> そうなるといいなあ。

そうですね。
逆に考えれば、それ以上の災難が降りかからないように
躰に教えてくれてるのかもしれないし
ネガティブに考えても、なるときにはなってしまうわけだし
あまり考え過ぎないほうがいい、ということなのかもしれないですね

ありがとうございました
2015-07-02 Thu 11:10 | URL | 陽炎 [ 編集 ]
つらいことがあったのですね><

自分ではどうしようもないこと、ありますね。
相談できないのがつらいです。
幸い、今の時代はネットがあります。
つらいこと、ここで吐き出してください。
昔の話でもいいです。
つらいことを吐き出して
過去を乗り越えましょう。
2015-07-05 Sun 15:05 | URL | 七瀬 [ 編集 ]
コメント、ありがとうございます

こうして、稚拙な文章を読んでいただけるだけでも
とてもありがたいです

私には描くということがあるから
どうにかいられるところがあると思ってます

ありがとう
2015-07-06 Mon 14:47 | URL | 陽炎 [ 編集 ]

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |